令和2年分の確定申告の注意点②　給与所得控除・青色申告特別控除の見直し

令和2年分の確定申告の注意点について、前回に引き続き、第２弾です。

今回は、給与所得者と事業所得者のうち青色申告をする方向けの、所得控除の見直しを見ていきます。

まず、給与所得控除に関する改正を振り返りましょう。

【給与所得控除の見直し】

令和２年分からは、給与高所得控除額が一律10万円引き下げられることとなりました。
また、その上限額が適用される給与等の収入金額が、従来の1,000万円から、850万円に引き下げられ、
その控除の上限額も、従来の220万円から、195万円に引き下げられることとされました。

給与の収入金額（A）	給与所得控除額
	令和元年分まで	令和2年分以降
162万円5,000円以下	65万円	55万円
162万円5,000円超　180万円以下	（A）×40%	（A)×40%－10万円
180万円超　360万円以下	（A）×30%＋18万円	（A）×30%＋8万円
360万円超　660万円以下	（A）×20%＋54万円	（A）×20%＋44万円
660万円超　850万円以下	（A）×10%＋120万円	（A）×10%＋110万円
850万円超　1,0000万円以下		195万円
1,000万円超	220万円

次に、青色申告をする方向けの改正です。

【青色申告特別控除の見直し】

事業所得者のうち、青色申告を行っている方にはおなじみですが、青色申告特別控除の制度は、従来、最大65万円の所得控除ができました。
しかし、令和2年分以降は、その控除額が10万円引き下げられ、最大で55万円の所得控除となりました。
ただし、e-Taxによる電子申告、または、電子帳簿の保存のいずれかを行う場合には、最大で65万円の所得控除を受けることができます。

以上の改正も踏まえて、確定申告がまだの方はお早めに申告・納付を行いましょう。